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2025.07.24

【昭和学報】人見記念講堂に宿る光――未来を照らす舞台から

 

 文化研究講座や女性教養講座でおなじみの人見記念講堂について、担当する職員の方にお話を聞きました。
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  人見記念講堂は、昭和女子大学を創立した人見圓吉先生の志を受け継ぎ、本学創立60周年にあたる1980年の春に建設されたました。地上5階・地下2階、延べ床面積14,168㎡、収容人数2,100人という大学のホールとしては類を見ない堂々たるホールです。附属校をはじめ、大学にいたるそれぞれの式典や授業のほか、外部に貸し出され、音楽・舞踊・演劇など、年間150回以上のバラエティ豊かなステージが繰り広げられています。

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竣工したばかりの人見記念講堂と人見楠郎 第2代理事長
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改修して客席もきれいになりました

初めての学生に見てほしい「躍動する光」

 初めて訪れる学生にぜひ注目してほしいのが、第一鍛帳のオーロラの演出です。入学式でバッハの「トッカータとフーガ ニ短調」の演奏とともに、緞帳が鮮やかに光り出す演出に驚いた人も多いのではないでしょうか。
 第一緞帳は西陣織で、「躍動する光」というテーマのもとに織られています。神奈川県大井町にある研修学寮「東明学林」から見た富士山や箱根の山々、伊豆・相模の海が背景として描かれており、その空を3人の女性が髪をなびかせて舞う姿が、オーロラの光として織り込まれています。
 では、「3人の女性」は誰を指しているのでしょうか?
 実は「3」という数字には、「無数」という意味が込められているそうです。つまり緞帳は、昭和女子大学で学ぶ私たち自身が「世の光」となって、未来へと羽ばたいていく姿を象徴しているのです。
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ライトにより緞帳のオーロラが輝く演出「躍動する光」
音響のこだわりと、今後の展望

 私は音楽や舞台芸術にも興味があり、人見記念講堂の音響面でのこだわりについても聞いてみました。
 人見記念講堂は残響音(音の余韻)についても細やかに考えられていて、生の音楽が「近く・優しく響く」ように設計されているそうです。まるで演奏者がすぐそばにいるかのような、豊かであたたかな音が魅力なのだそうです。
 さらに、これからの人見記念講堂は、学生がより主体的に芸術に触れられる場へと進化していくそうです。これまでの「文化講座」は、今後「文化芸術講座」へと名前を変え、より広く深い学びの場となることを現在検討しているとのことです。今後の講座に注目していきたいです。

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可動式の反響版
 今回の取材を通して、人見記念講堂はただの多目的ホールではなく、私たち学生一人ひとりの成長や表現を支えてくれる、教室でもあるのだと感じました。  「世の光となる女性」を育てるという創立者人見圓吉先生はじめ、歴代の先生方の想いが今も息づいていることを知り、今後の講演や公演も、より一層の関心を持って臨んでいきたいと思います。学生生活の中で講堂での様々な経験が、私たち学生一人ひとりの「光」となることを願っています。
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講堂のいろいろな場所には絵画や彫刻などの作品がおかれています

執筆者プロフィール

kuroiwa
黒岩絢音
現代教養学科
好きなことは合唱🎵

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