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2025.07.10
【昭和学報】女性教養講座「家族の常識を問い直す ケアとジェンダーの視点から」
6月25日、落合恵美子先生を講師にお招きして女性教養講座が開かれました。落合先生は京都大学名誉教授であり、現在は京都産業大学現代社会学科教授としてご活躍されています。大学在学中の出産経験をきっかけに、家族の在り方や育児・ケアの実態の研究に取り組まれています。
「制度は変わり、変えられる。かつての常識であった家を中心とした女性の生き方は"制度"です。私たちは時代を遡れば遡るほど、かつての社会は性別分業が当然で厳しかったと考えがちですが、実際にはそう単純な話ではありません」と先生は語ります。
講義の前半は時代とともに推移する女性の労働力率について解説いただきました。
江戸時代には、儒教の影響で親の介護は息子の役割とされ、男性が中心となって介護を行っていました。武士階級では現代でいう「介護休暇」の取得も可能であり、現代よりも男性が親の介護を積極的に行っていたようです。明治維新後は、女性の労働率は現代とほぼ同じ水準であり、女性も一生働くことが当たり前の社会でした。しかし近代以降、特に戦後の日本社会では、女性を「主婦」として家庭に留め、子育てや家事労働を無償で担わせるように変化しました。このため、女性のケア労働や家庭内の役割は「自然なもの」ではなくなり、制度として作られた「近代の発明」となったといえます。
講義の前半は時代とともに推移する女性の労働力率について解説いただきました。
江戸時代には、儒教の影響で親の介護は息子の役割とされ、男性が中心となって介護を行っていました。武士階級では現代でいう「介護休暇」の取得も可能であり、現代よりも男性が親の介護を積極的に行っていたようです。明治維新後は、女性の労働率は現代とほぼ同じ水準であり、女性も一生働くことが当たり前の社会でした。しかし近代以降、特に戦後の日本社会では、女性を「主婦」として家庭に留め、子育てや家事労働を無償で担わせるように変化しました。このため、女性のケア労働や家庭内の役割は「自然なもの」ではなくなり、制度として作られた「近代の発明」となったといえます。
後半は、日本の性別分業の厳しさについて世界と比較して説明してくださいました。西洋の影響を受けたアジアは、ヨーロッパの型に自分たちの制度を加えることで、アイデンティティを保とうとしました。その際、ヨーロッパは双系制度をとり、アジアは父系制度を国家で制度化しました。「父系制度が近代的家父長制としてアジアの伝統となったことで、女性の地位低下に繋がった」と先生は語られます。
かつて当たり前と考えられてきた「女性は家で家事や子育てをする」という生き方。これは「制度として作られたものに過ぎない」ということを今回の講義でより明確に理解できました。日本では今後より一層の少子高齢化が進むと考えられており、家族やケアの問題は誰にとってもより身近なものとなります。「昔から家庭内の仕事は女性の役割と考えられている」という意見は通用しません。常識と考えられてきたことを打ち破り、一人一人が自分にできることを主体的に考え行動に移す。このような力がこれからを生きる私たちにとって必要な力となるのではないでしょうか。落合先生、ありがとうございました。
かつて当たり前と考えられてきた「女性は家で家事や子育てをする」という生き方。これは「制度として作られたものに過ぎない」ということを今回の講義でより明確に理解できました。日本では今後より一層の少子高齢化が進むと考えられており、家族やケアの問題は誰にとってもより身近なものとなります。「昔から家庭内の仕事は女性の役割と考えられている」という意見は通用しません。常識と考えられてきたことを打ち破り、一人一人が自分にできることを主体的に考え行動に移す。このような力がこれからを生きる私たちにとって必要な力となるのではないでしょうか。落合先生、ありがとうございました。
執筆者プロフィール

岩崎菜乃巴
日本語日本文学科

鈴木見昊
歴史文化学科

高波さわ
健康デザイン学科