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2025.07.08
【昭和学報】学長に聞く!ラーニングコモンズ、そして昭和女子大学の今とこれから①
「ラーニングコモンズってどうやって使うのかな? 使っていいのかな?」
そんな疑問を抱いたことはありませんか。
8号館1階と3号館CAFE 3の奥にあるこの空間、実は学長の強い思いが込められた場所だったのです。
昭和女子大学の第11代学長である金尾朗先生にインタビューを行い、設置の背景や狙いについて詳しくお話を伺いました。
そんな疑問を抱いたことはありませんか。
8号館1階と3号館CAFE 3の奥にあるこの空間、実は学長の強い思いが込められた場所だったのです。
昭和女子大学の第11代学長である金尾朗先生にインタビューを行い、設置の背景や狙いについて詳しくお話を伺いました。

「SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)」を目指した 意外な設置コンセプト
まずはどんなコンセプトでラーニングコモンズをつくったのかを質問すると、金尾学長は「実は、渋谷スクランブルスクエアにあるSHIBUYA QWSのような空間を目指したんです」と説明してくれました。SHIBUYA QWSの公式HPによれば「「渋谷から世界に問いかける、可能性の交差点」をコンセプトに、多様なバックグラウンドや活動領域の人たちが交差交流することで、“新しい社会価値につながる種”を生み出すことを目指す会員制の共創施設」(https://shibuya-qws.com/)なのだとか。
筆者は初めて知ったのですが、「ラーニングコモンズ」という名称自体、本学のオリジナルというわけではなく、多くの大学で設置されている施設で、学生が自由に学修活動を行うためのオープンスペースだそうです。ラーニングコモンズをWEBで検索すると、色々な大学の施設紹介のページが出てきます。
ただし、他大学では予約制だったり利用制限があったりすることもある中で、本学では学生が自由に使えるように、予約不要で利用できるスタイルにしたそうです。
インタビューで分かったことなのですが、ラーニングコモンズが設置される以前の8号館1階には、附属小学校のアフタースクールがあったそうです。(現在アフタースクールは大学の相談室の横にある建物内に移動されています)
小学生の放課後の居場所から、大学生の学修スペースへ。前は小学生用の小さなトイレなんかもあったそうで、なんだか不思議な感じがしますね。
デザインも異なる2つのラーニングコモンズの特色
同じ「ラーニングコモンズ」でも、8号館と3号館では雰囲気が全く違います。3号館1階ラーニングコモンズは「CAFE 3に合わせてデザインしてもらった」と学長。確かに、3号館の方はCAFE 3に合わせて、シックで落ち着いた大人の空間という印象です。
一方、8号館1階はパステルカラーが使われており比較的明るい雰囲気。

3号館ラーニングコモンズ
国際学部の学生がよく利用しているイメージがあります
国際学部の学生がよく利用しているイメージがあります

8号館ラーニングコモンズ
西門の子ども園側にあります
西門の子ども園側にあります
「思惑と違っても、それでいい」という懐の深さ
当初はグループワークやディスカッションの場として構想されたラーニングコモンズですが、現在は静かに個人学修する学生の姿が目立ちます。「思惑と違う使われ方になっているのでは?」と質問してみると、
「こちらから『こう使って』と押し付けるのでは上手くいかない。学生が自由に使えるのが一番いい。今後変わっていったら、それはそれで良いんです」と金尾学長。
この柔軟な姿勢こそが、ラーニングコモンズが多くの学生に利用されている理由なのかもしれません。
実際の使い心地は? 記者も実感する「絶妙な静けさ」の魅力
筆者自身も8号館1階のラーニングコモンズをよく利用しています。隣の学生ホールは賑やかだけれど、ラーニングコモンズは落ち着いていて静かです。ただその静けさが図書館ほどでもなくて、居心地がいいのがラーニングコモンズです。この絶妙な静けさこそが、ラーニングコモンズの最大の特徴かもしれません。
図書館だと静かすぎてなんだか集中できない、でも学生ホールだとうるさくてできない……そんな学生にとって、まさに「ちょうどいい」空間なのです。この「絶妙な静けさ」が集中力を高めてくれます。Wi-Fiも安定していて、筆者にとってレポート作成には最適な環境となっています。
さらに実用的なメリットもあります。
パソコンの充電ができること、コピー機が学生ホールと比較すると空いていること、そして学生ホールより1時間長い21時まで利用できることなど、学修環境として優れた条件が揃っています。
ただ、8号館1階ラーニングコモンズをよく利用する者として、時々「せっかくグループワークのためにできた場所なんだから、もう少しグループワークがしやすい雰囲気になったらいいな」と感じることもあります。
学長の言葉通り、学生の使い方によって今後この空間がどう変化していくのか、楽しみでもあります。
終わりに
ラーニングコモンズは、学長の「講義を受けるだけではなく、学生が自由に過ごせる居場所を大学に作りたい」という思いから生まれた場所でした。当初の構想とは異なる使われ方をしていても、それを受け入れる柔軟さがあるからこそ、多くの学生に愛される空間になっているのでしょう。
皆さんもぜひ一度、この「絶妙な静けさ」を体験してみてください。きっと新しい学修スタイルが見つかるはずです。
次回は、ラーニングコモンズから話をさらに広げて、学長が描く「大学の居場所づくり」の全体像に迫ります。お楽しみに!

全体的に落ち着いた雰囲気の3号館、国際学部以外の学生も使用できます

8号館のラーニングコモンズには、こんな場所も
使い方はあなた次第です
執筆者プロフィール

東出みすゞ
福祉社会学科