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2024.10.24

【昭和学報】学年を超えた創作活動「物語&車内広告を作ろう!」日本語日本文学科学寮研修

 昭和女子大学の特色あるプログラムの一つに学寮研修があります。1年生から3年生を対象に2泊3日の研修を学科ごとに行うもので、1・3年生は「望秀海浜学寮」(千葉県館山市)、2年生は「東明学林」(神奈川県足柄上郡)で研修が行われます。2024年度、日本語日本文学科では6月11日から13日にかけて実施されました。今回は望秀海浜学寮での活動について、初参加の学生の感想を交えながら紹介します。

 
学寮



 学寮研修では、各学科それぞれの特性を活かした学科企画が行われます。今回日本語日本文学科では「物語&車内広告を作ろう!」というテーマで活動をしました。

 具体的には、『赤ずきん』や『スイミー』(レオ・レオニ)などの、有名な絵本や教科書のキャラクターを2人登場させて自由に物語を創造し、さらにそれを紹介する広告を制作します。またキャラクター2人に加えて、物語を展開するメインの場所、計3つの要素をくじ引きで選びました。広告は電車内の吊広告をイメージし、イラストや画像と共にキャッチコピーを考えました。活動は30班に分かれて行われ、それぞれ1年生4・5人、3年生3・4人で編成されました。

 1・3年生が同じグループで活動することは日ごろの授業では中々体験できないことなので、緊張もありました。しかし3年生が主導してアイデア出しをしてくれたことで、1年生も積極的に意見を交わし合う充実したグループワークとなりました。
 さらに、くじ引きの結果で組み合わされた要素は互いに全く関連のないものも多く、それぞれのキャラクターの特性を活かしつつ上手く融合させることが難しかったです。国語の授業や絵本などで触れてきた作品たちに創作という新たな視点から向き合い、想像を膨らませることはとても楽しく、新鮮な取り組みでした。

 作品完成後は、プレゼンテーションを行いました。プレゼンテーションは各班の代表者が、作成した広告の紹介と作品を朗読する形で行われました。
 台詞部分など感情を込めた朗読によってさらに物語へ惹きつけられ、文字だけでなく音で表現することの重要性を感じました。また、同じキャラクターを引き当てた班であっても全く異なる物語が作られており、各班の発想の豊かさにも驚かされました。

 発表後は投票が行われました。物語の部門で最優秀班に選ばれたのは、グループA7班の『李徴、初めてのデート』です。『山月記』(中島敦)の「李徴」と、『おれはカマキリ』(工藤直子)の「かまきりりゅうじ」が登場します。
感情が高まると虎になってしまう李徴は、彼女の「あこ」との初めてのデートに不安を感じ、りゅうじに相談をします。「俺に任せろ」と、りゅうじは李徴を励まします。当日、あこに水族館デートを楽しんでもらおうと、李徴はありったけの豆知識を披露しますが、あこの反応はいまいち。「あこがデートを楽しめていないのでは…」と李徴はどんどん不安になります。その様子を影から見守っていたりゅうじは、李徴のためにわざとデートの邪魔をすることに。しかし、その行動がきっかけとなり李徴は虎の姿になってしまいます。そんな李徴の姿を見たあこは、嬉しさを抑えきれない様子です。「私、虎が大好きなの!」そう言った愛虎(あこ)のカバンには虎のストラップがついています。興奮している愛虎の姿に李徴は驚きますが、その日1番の笑顔を見せてくれたことに安心します。初めてのデートが成功し、お互いに新たな一面を知れたことで、2人は今以上に仲を深めることが出来ました。
 ユーモアにあふれ、伏線回収などの工夫も凝らされた素晴らしい作品でした。
 他にも広告賞や先生賞などがあり、受賞した班のメンバーには景品が贈られました。車内広告は、その特性から「〇〇万部突破!」などの目を引くキャッチコピーや登場人物達のイラスト・画像のインパクトなどが特に評価されました。
 学科全体で一つの大きな企画に取り組んだ体験を通し、文章を書くことや何かを作ることの楽しさを改めて実感できた1日でした。
海岸
好天に恵まれた海岸散策
テラス
テラスからの眺め
西洋美術館
国立西洋美術館で美術鑑賞
 学科企画以外にも、昭和女子学校から学寮研修施設へ向かう途中、上野公園に立ち寄り、「国立西洋美術館」や「東京都恩賜上野動物園」などを訪れ、実際の作品や動物を見ることは多くの学びや刺激となりました。

 また学科企画終了後にはドッジボール大会と海岸散策が行われました。どちらも参加は自由です。学寮期間中は天気に恵まれ、海岸散策では友達と写真を撮ったり、砂浜で遊んだりと多くの思い出を作ることができました。
 
 宿泊研修ということで不安もありましたが、美しい自然の景色を眺めながら、普段は出来ない学寮ならではの体験を楽しむことができました。
執筆者プロフィール
iwasaki
岩崎菜乃巴
日本語日本文学科

endo
遠藤咲実
日本語日本文学科


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