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2024.07.11

【心理学科】ジェンダーと宗教について考える「Gender and Religion」プロジェクト

各セクションが更新しているブログをピックアップ! 今回は心理学科の記事です。
昭和女子大学の心理学科には、「心理学総合演習」という実践科目が開講されています。 多くの科目は大学キャンパス内で授業が行われていますが、この科目ではキャンパスの外に出て、心理学を現場で生かしたり、社会で起きていることから人の心理について考えるなど、体験的に学ぶことができます。

このうち、今回はジェンダーと宗教について考える「Gender and Religion」プロジェクトについて報告します。

現代社会では、多様な価値観を持つ人々がいかに共生できるかが大きな課題となっています。
例えば、1946 年に国連で採択された世界人権宣言では、「すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」こと、そして「人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受け」ずに、「すべての権利と自由とを享有する」ことができると宣言されています。

また、近年では「SDGs」という名称を聞いたことがある方も多いのではないかと思います。 「SDGs」は持続可能な開発目標のことで、 〈 目標3.すべての人に健康と福祉を 〉〈 目標5.ジェンダー平等を実現しよう 〉〈 目標 10.人や国の不平等をなくそう 〉など、人や地球環境が持続的に繫栄できるように取り組むべき目標が宣言されています。

このように、世界的にも日本の社会においても、多様な生き方を認め合い共に暮らす社会を作っていくことが急務であると考えられますが、その実現のためにはまだまだ課題が多いのが現状です。こうしたことを念頭に、本プロジェクトでは日本の社会・文化における多様な生き方を知るとともに、差別のない共生社会に向けた課題を考えるために、「ジェンダー」と「宗教」をキーワードに活動を行っています。4月に活動を開始したばかりですが、2つのイベントに参加しましたので報告します。


東京レインボープライド 4月 21 日(日)

2024 年4月 19 日(金)から 21 日(日)にかけてプライドフェスティバル&プライドパレードが代々木公園で行われました。このイベントは、LGBTQ+をはじめとするセクシュアル・マイノリティの存在を社会に広め、「“性”と“生”の多様性」を祝福するもので、様々な企業・団体・大学が協賛し、たくさんのブースが出展されました。

3日目の 12:00 からはプライドパレードが行われ、約 15,000 人が代々木公園周辺を行進しました。私たちはこのイベントの会場に行き、フィールドワークを行いました。

今回東京プライドパレードの会場に初めて訪れて、想像以上の大きな規模感での開催に驚きました。
昔と比べて現在LGBTQ+への偏見、差別が少なくなってきていると思えるのは、このような活動をしてきてくださった人がいるからなのだと実感しました。同時にイベントに参加するなかで、LGBTQ+の人がマジョリティとなった場の開放感を肌で感じ、まだ抑圧された思いを抱えている人も多いのだと想像しました。LGBTQ+の存在がより一層周知され、普段の生活でもそれがあたりまえとなっていってほしいです。

またひとえにLGBTQ+とくくられて語られることが多いですが、その一人ひとりが違ったジェンダー、セクシュアリティ、個性、そして違う意見を持つ尊重されるべき個人であると気づき、私自身も一個人として意見を持って主張していく勇気をもらいました。
(心理学科3年O)
今年は、日本で初めてプライドパレードが開催されて30周年を迎える節目にあたり、「変わるまで、あきらめない。」をテーマにしていました。

今回のイベントにたくさんの人が参加していたことからも、LGBTQ+への認知度は高まっていると考えられます。その一方で、差別禁止を盛り込んだ法整備や、多様な性・生にあわせた制度設計などは進んでおらず、多様性を認める社会の実現に向けて課題が多く残っています。

世界人権宣言にあるように、どのような性・生を送る人も差別されていい人はおらず、すべての人は平等な存在です。
このことが達成されていない日本の現状を変えるべく、自分事として取り組んでいく重要性を感じました。

もう1つのイベントについては次の記事でご紹介します。


〈 プロジェクト活動担当 渡邊 〉
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