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2024.07.01
【福祉社会学科】卒業研究の成果を日本コミュニケーション障害学会でポスター発表
各セクションが更新しているブログをピックアップ! 今回は福祉社会学科の記事を紹介します。
S さんの研究テーマは、「 認知症の重症度と口腔機能との関連について ~ 前期高齢者認知症との比較から ~ 」です。
先行研究では、認知症が悪化すると舌や口唇など口腔器官の機能が低下する、とされています。 しかしSさんは、論文を批判的に読解( クリティカルリーディング )した結果、症例の多くが高齢者であることから、機能低下が認知症によるものなのか、加齢によるものなのかが不明確であることに気づいたのです。 そこで、比較的若い認知症の方を対象に、改訂長谷川式簡易知能スケールと口腔器官との関連を調べました。その結果、認知症の程度と口腔機能には密接な関連があることを見出したのです。
I さんの研究テーマは、「 キュードスピーチの手指記号 ( キュー・サイン ) を併用した読話の効果の検討 」です。
読話は、聴覚障がいのある人のコミュニケーション手段です。地域社会では、中途失聴者・難聴者の方を対象に各地で講習会が開催されていますが、いわゆる同口形異音が多く存在するため、実用的に使用するのはとても困難です。 そこで I さんは、本来は聴覚障がい児が母国語の音韻を獲得するために補助的に使用する手指記号を健聴大学生に覚えてもらい、読話成績にどの程度影響を与えるかを実験的に調べました。その結果、単語・短文において有意な読話成績の向上が認められました。
これらの研究はいずれも卒業論文の内容だったので、来場者から驚きの声があがっていました。
ポスター発表後の質疑応答もしっかり対応されており、とても頼もしく感じました。 お二人とも、次の研究に向けて、是非頑張ってほしいです!