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2023.12.01
【昭和学報】音楽を通したイノベーション ~ 初音ミクから学ぶ ~
11月15日、芝浦工業大学教育イノベーション推進センター教授長谷川豊氏を招き、「イノベーションは音楽ビジネスをどう変えたか~VOCALOIDの事例から」をテーマに、女性教養講座が開催されました。長谷川氏はヤマハで技術開発に携わり、初音ミクや鏡音リンといったVOCALOIDの作成者でもあります。
VOCALOIDと聞くと、初音ミクのイメージがあると思います。しかし初音ミクはVOCALOIDシリーズの最初のキャラクターではありません。
世界初のボーカロイド製品は男声ボーカロイド「LEON」と女声ボーカロイド「LOLA」でした。次にMEIKOとKAITOが発売されましたが、ヒットと呼べるほどは普及しませんでした、初音ミクが発売されるまでは。
初音ミクが大ヒットした理由は、ちょうどYouTubeとニコニコ動画が活発化していた時代であり一般ユーザーが作成したコンテンツの需要が高まったということ、またそれまでに発売された中でも調声がしやすく、声が可愛かったことが挙げられるそうです。

VOCALOIDは声だけでなく、キャラクターとしても確立されています。キャラクターにはそれぞれ著作権が発生しますが、制作者側の意向により、非営利目的で公序良俗に反しない限り、二次利用を認められ、そのような娯楽コンテンツとして成立していました。ユーザーの自由度が高い例として、キャラクターの個性が挙げられます。初音ミクはネギ、KAITOはアイスがチャームポイントですが、これらは公式の情報ではなく、ニコニコ動画のユーザーが広めたものです。
キャラクターの自由度が高いことに加え、ちょうどその時代にSNSといったマルチメディアで拡散され、VOCALOIDの人気に火が付いたと言えます。
VOCALOIDのクリエイターのことをボカロPと表現する文化もあります。YOASOBIの作曲者AyaseさんもボカロPです。音楽トレンドの最先端にいるアーテストにもボカロクリエイターがたくさんいる時代になったこと、またVOCALOIDのキャラクターだけでなく、VOCALOIDのクリエイターが活躍する時代になったことを、長谷川氏含めVOCALOID製作側の方々は嬉しく思っているそうです。

スマートフォンを使用して学生が主体的に参加できる講義でした。質疑応答では講堂内のスライドに学生のコメントが上から下へ流れていくのが写し出され、まるでYouTubeのチャット欄のようでした。
長谷川氏のユーモアある面白い講義に、質疑応答が止まりません。楽しい講座をありがとうございました。
加藤愛歩
現代教養学科2年。
本が好き。サスペンス小説がマイブーム。
学生が講義に参加できるよう、スマートフォンを使用し質問募集をしたり、挙手でアンケートをとったりして、イノベーション技術について伝えられました。
音楽は目に見えないものであり、聴覚に訴える時間芸術で、本来再現性がありません。音楽が大衆消費の対象になってから、世界は録音再生技術の発明に力を入れるようになりました。産業革命も相まって技術革新が起こり、シンセサイザーや自動演奏といった、多種多様な楽器や演奏技術に発展していきます。そのような歴史をたどる中、音楽の魅力を極限まで引き出すためにヤマハが開発したのがVOCALOIDシリーズでした。
音楽は目に見えないものであり、聴覚に訴える時間芸術で、本来再現性がありません。音楽が大衆消費の対象になってから、世界は録音再生技術の発明に力を入れるようになりました。産業革命も相まって技術革新が起こり、シンセサイザーや自動演奏といった、多種多様な楽器や演奏技術に発展していきます。そのような歴史をたどる中、音楽の魅力を極限まで引き出すためにヤマハが開発したのがVOCALOIDシリーズでした。

世界初のボーカロイド製品は男声ボーカロイド「LEON」と女声ボーカロイド「LOLA」でした。次にMEIKOとKAITOが発売されましたが、ヒットと呼べるほどは普及しませんでした、初音ミクが発売されるまでは。
初音ミクが大ヒットした理由は、ちょうどYouTubeとニコニコ動画が活発化していた時代であり一般ユーザーが作成したコンテンツの需要が高まったということ、またそれまでに発売された中でも調声がしやすく、声が可愛かったことが挙げられるそうです。

VOCALOIDは声だけでなく、キャラクターとしても確立されています。キャラクターにはそれぞれ著作権が発生しますが、制作者側の意向により、非営利目的で公序良俗に反しない限り、二次利用を認められ、そのような娯楽コンテンツとして成立していました。ユーザーの自由度が高い例として、キャラクターの個性が挙げられます。初音ミクはネギ、KAITOはアイスがチャームポイントですが、これらは公式の情報ではなく、ニコニコ動画のユーザーが広めたものです。
キャラクターの自由度が高いことに加え、ちょうどその時代にSNSといったマルチメディアで拡散され、VOCALOIDの人気に火が付いたと言えます。
VOCALOIDのクリエイターのことをボカロPと表現する文化もあります。YOASOBIの作曲者AyaseさんもボカロPです。音楽トレンドの最先端にいるアーテストにもボカロクリエイターがたくさんいる時代になったこと、またVOCALOIDのキャラクターだけでなく、VOCALOIDのクリエイターが活躍する時代になったことを、長谷川氏含めVOCALOID製作側の方々は嬉しく思っているそうです。

スマートフォンを使用して学生が主体的に参加できる講義でした。質疑応答では講堂内のスライドに学生のコメントが上から下へ流れていくのが写し出され、まるでYouTubeのチャット欄のようでした。
長谷川氏のユーモアある面白い講義に、質疑応答が止まりません。楽しい講座をありがとうございました。
執筆者プロフィール

加藤愛歩
現代教養学科2年。
本が好き。サスペンス小説がマイブーム。