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2021.10.07

中高生との対話・協働で、日本の地域の魅力を引き出す —「Tre-share (トレシェア)」の活動とは

昭和女子大学グローバルビジネス学部会計ファイナンス学科髙木俊雄准教授のゼミでは、「地方創生xSDGs共同研究・実証プロジェクト」を2019年夏に立ち上げ、様々な課題を抱える地域を訪問し、地元の中高生とともに地域の魅力を発見・再確認し、それらを持続発展させるための調査・研究に取り組んでいます。
(お話を伺った方:グローバルビジネス学部会計ファイナンス学科4年 滝澤真衣さん)

地域の中高生とともに魅力を発見する

この活動は、地域について詳しく知らない東京の大学生と、「自分の地元には魅力がない」と思っている中高生が共に地域の魅力を発見することで、将来地域の担い手となる中高生が地域資源を理解し、長期的な地元の技術・特産物の認知向上と産業、地域の活性化に主体的に関わることを目的としています。これまで新潟県燕市をはじめ、徳島県美波町、千葉県香取市の地元の中高生と地域の調査やフィールドワークを行っていましたが、コロナ禍となり現在はオンラインで活動を継続しています。
中高生との対話・協働で、日本の地域の魅力を引き出す_012019年12月に新潟県燕市で行われたSDGs共同研究の様子

SDGsの視点から、地域の魅力を探る

中高生と一緒に地元の魅力を発見する上で大切にしていることとして『SDGsの視点から、地域の魅力を探ること』と、この活動に参加するグローバルビジネス学部会計ファイナンス学科4年滝澤麻衣さんは語ります。「地元中高生がなんとなく知っていた地元の産業を、東京の大学生が持つ新たな視点やSDGsという枠組みでとらえることで、多くの魅力を秘めていることを再発見できました。実際に参加した生徒に話を聞くと、『自分の住む地域にこんなにすごい物があるなんて知らなかった』『自分の住む地域が大好きになり、違う地域の人に自慢したい』と答えてくれました。」
中高生との対話・協働で、日本の地域の魅力を引き出す_022019年8月に千葉県香取市で行われたSDGs共同研究の様子

クラウドファンディングを活用して地域の魅力を拡大

「中高生たちの活動とその成果をもっと多くの人に知ってもらうことはできないだろうか」と考え、2021年2月には株式会社パルコが管理・運営するクラウドファンディング「BOOSTER(ブースター)」を活用することになりました。この活動には、昭和女子大学の学生だけではなく明治大学と学習院大学の学生も参加しており、「Tre-share (トレシェア)」というチームとしてたくさんの人に地域の「Treasure (宝物)」を「Share(共有)」しています。これまで13の地域とのプロジェクトを進行し、それぞれ目標を達成しています。

県立燕中等教育学校と一緒に行った「地域の魅力探し」

新潟県燕三条市にある県立燕中等教育学校と一緒に行った「地域の魅力探し」では、「燕三条キッチン研究所」で製造している「コンパクトフライヤー」を取り扱いました。この商品は燕三条の金属加工メーカーとグラフィックデザイナー、プロダクトデザイナー、コピーライターという4つの分野のプロがひとつのチームで生み出しているものです。販売計画をたてるため、サービスや商品のユーザー像(ペルソナ)を高校生と一緒に考え、お弁当づくりや簡単に揚げ物を食べたい人と設定しました。そして、このユーザーが日常求めていることや、不満などを話し合い、「少ない油で済むこと、時短で揚げ物が食べられること」などをアピールポイントとして打ち出しました。
中高生との対話・協働で、日本の地域の魅力を引き出す_03
誰が何を求めているのか?その人に魅力を伝えるためにはどのような順序にすればよいかなどを決めたことで、結果的に多くの方に支援してもらうことができました。
クラウドファンディング「BOOSTER(ブースター)」コンパクトフライヤーについて

この活動を通してどんなことが学びとなっているか、滝澤さんはこのように話しています。
「1、2年次は、必修の授業で簿記と会計に集中し、3年次から髙木准教授のゼミを選択しました。これまで授業では『うまくいかない』ということはありませんでしたが、このプロジェクトでは思ったとおりに行かないことだらけでした。授業で学んだ知識をもとに状況に応じて柔軟に可変し、日本各地の中高生との対話をしながらプロジェクトを進行する力を身につけられたと思います。自分自身では全体を俯瞰視する、方向性を示していくことが得意だと気付き、社会に出てからもその経験を活かしていきたいと話しています。

地方創生 x SDGs共同研究・実証プロジェクト
Tre-share(地方活性化)概要
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