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2021.12.23
環境デザイン学科みらいラボSHOWA主催のワークショップ「サステナクレープ」が開催されました
「みらいラボSHOWA」が運営する学科内の工作スペース“未来研究室昭和”(通称、ラボ)は、つくることを通してコースや立場の垣根を超えた交流の場となることを目指しています。ここでは、UVプリンター、レーザー加工機、3Dプリンターをはじめとしたデジタルファブリケーション機材、インクジェットプリンターや製本機などのDTPツール、各種ハンディツールを使用することができ、課題や個人の制作に関する相談も受け付けています。

ミツロウラップとは?
これまで食材の保存には食品用ラップやアルミホイル、ビニール袋などの様々な使い捨て用品が使われてきました。「ミツロウラップ」とは、近年それらの代替品としてよく耳にするようになった、繰り返し使うことのできる地球に優しいアイテムです。主成分であるミツロウ(蜜蝋)には天然の抗菌・保湿効果があるため、食材の鮮度を保ちながら安心して包むことができます。サステナクレープのミツロウラップは、綿100%の布、蜜蝋、松ヤニ、ホホバオイルで作られています。どれも天然由来の成分のため、食べかけのお皿や飲みかけのコップの蓋としてはもちろんのこと、野菜や果物の切り口をカバーしたり、おにぎりやサンドウィッチ、お菓子などを直接包んで持ち歩くこともできます。ミツロウラップは体温ほどの温度でやわらかくなり、冷めると硬くなる性質があります。容器や包むものに合わせて手で包み込むように温めることで形に馴染み、しっかりと密着し包むことができます。

このワークショップは「サステナ(ブル)クレープ」を作るために、3枚の布をクレープ生地、ホイップクリーム、トッピングに見立てることから始まります。また、選んだ布には、理想科学工業株式会社さんの協力のもと、シルクスクリーン印刷をすることができます。参加者は用意された数種類のインクの中から印刷に使うインクの色を決め、選んだ布に印刷をします。シルクスクリーン印刷というものに初めて触れる人も多く、皆緊張感を持ってスキージーを引く姿が印象的でした。次の工程でそれらを天然由来の原材料とアイロンを使ってミツロウラップにした後、クレープのように包みあげることで「サステナ(ブル)クレープ」が完成します。

今回、ミツロウラップ作りをワークショップとして行うこととなった背景には、近年、地球規模で深刻な問題として扱われている気候危機があります。
その一因でもあるプラスチックの消費量、そしてそのゴミの量を少しでも減らすために毎日の生活に取り入れやすいものとして「ミツロウラップ」を作ることにしました。
その上で、ただミツロウラップを作るだけではなく、ラボの施設で利用可能な印刷技法に触れること、作る過程を楽しむこと、できたものを持ち帰る行為までをパッケージとしてデザインすることで、環境デザイン学科ならではの体験を提案しました。
このワークショップではミツロウラップ作りを通して、なぜ繰り返し使うものをわざわざ作るのか、なぜ使い捨てが、なぜプラスチックが良くないのか、ということにそれぞれが疑問・関心を持ってもらうことを目的としています。
「ミツロウラップからはじめるプラスチックフリー生活」というワークショップのサブタイトルにもあるように、出来上がった「サステナクレープ」が少しでもみなさんの生活の中に変化をもたらしてくれることを私たちは望んでいます。