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授業・学生の活躍
2022.09.27
【在学生の活躍】海外の大学で日本語を教えながら、自ら研究し続ける (大野直子さん – 大学院 文学研究科 文学言語学専攻 博士課程)
昭和女子大学大学院 文学研究科 文学言語学専攻 後期博士課程1年の大野直子さんが、日米両国政府による留学制度「フルブライト奨学金プログラム」で2022年9月からアメリカ ワイオミング州のNorthwest Collegeで日本語を教えています。大野さんに、これまでの経緯や今後の意気込みについて伺いました。
質問1: Northwest Collegeで日本語を教えるまでの経緯を教えてください。
私は2020年に、会社員時代に始めた研究をまとめたいと思い、昭和女子大の博士前期課程に入学しました。金子朝子先生のご指導をいただき、今年なんとか修士論文にまとめました。でも、2年学んだだけでは「まだまだだなぁ」という気持ちでいっぱいで、外国語学習者のモチベーションやエンゲージメントについてさらに深めたいと考え、博士後期課程に進学しました。
論文を読んだり、研究について考えたりするにつれ、日本以外の言語教育を知らないまま研究をすすめてよいのだろうかという気持ちになっていきました。
そんな時に、フルブライト奨学金で海外の大学で日本語を教えながら、自分も授業を履修できるというプログラムがあることを知りました。そしてこのたび、2022年9月から、ワイオミング州のNorthwest Collegeで日本語を教えることになりました。
質問2: これまで学ばれたこと、現在学ばれていることを教えてください。
大学時代は名古屋の南山大学で文化人類学を専攻していたので、大学院に入ってはじめて、第二言語習得を専門に学び始めました。修士論文はアウトプットの機会に接した日本の小学生のモチベーション、学習方略と、英語運用能力の変化についてまとめました。現在は、外国語学習者のモチベーションや、学習に向かい、その行動を継続するエンゲージメントという概念について研究をしています。
質問3: これからの意気込みを教えてください。
私にとって、海外の大学で日本語を教えることは初めての経験です。私の授業はNorthwest Collegeだけでなく、モンタナ州の大学とzoomでつないでハイブリッド方式で行っています。対面の皆さんも、zoomの中の皆さんも、とても高いモチベーションを持って頑張っています。何度もひらがなやカタカナを自習しているノートを見せてもらい、胸が熱くなることもしばしばで、毎日がとても楽しく、学生の皆さんからたくさんのことを学ばせていただいています。私がいる1年間の間に、日本語の授業を取っている皆さんが、何らかの手ごたえを感じられるよう、彼らと一緒に走っていけたらいいなと思っています。
いろいろな国籍の若者が仲良く学んでいる様子を見るにつれ、外国語を学ぶことは自分たちと違う言語を話す人や、文化的背景の違う人と仲良くなり、その考えを理解しあいながら世界の問題を解決していくことにつながっていくのだという確信をもつようになりました。
ここで日本語を学んでくれる皆さんがこれから協力して、平和な世界を築いてもらいたいなとも、願っています。
また、ここで得たことを博士課程の学びや論文に活かし、外国語学習におけるモチベーションやエンゲージメントについて、なんらか世に伝えられることをつかみ取れたらいいなと考えています。
日米教育委員会 (フルブライト・ジャパン)
昭和女子大学大学院 文学研究科 文学言語学専攻
質問1: Northwest Collegeで日本語を教えるまでの経緯を教えてください。
私は2020年に、会社員時代に始めた研究をまとめたいと思い、昭和女子大の博士前期課程に入学しました。金子朝子先生のご指導をいただき、今年なんとか修士論文にまとめました。でも、2年学んだだけでは「まだまだだなぁ」という気持ちでいっぱいで、外国語学習者のモチベーションやエンゲージメントについてさらに深めたいと考え、博士後期課程に進学しました。
論文を読んだり、研究について考えたりするにつれ、日本以外の言語教育を知らないまま研究をすすめてよいのだろうかという気持ちになっていきました。
そんな時に、フルブライト奨学金で海外の大学で日本語を教えながら、自分も授業を履修できるというプログラムがあることを知りました。そしてこのたび、2022年9月から、ワイオミング州のNorthwest Collegeで日本語を教えることになりました。
質問2: これまで学ばれたこと、現在学ばれていることを教えてください。
大学時代は名古屋の南山大学で文化人類学を専攻していたので、大学院に入ってはじめて、第二言語習得を専門に学び始めました。修士論文はアウトプットの機会に接した日本の小学生のモチベーション、学習方略と、英語運用能力の変化についてまとめました。現在は、外国語学習者のモチベーションや、学習に向かい、その行動を継続するエンゲージメントという概念について研究をしています。
質問3: これからの意気込みを教えてください。
私にとって、海外の大学で日本語を教えることは初めての経験です。私の授業はNorthwest Collegeだけでなく、モンタナ州の大学とzoomでつないでハイブリッド方式で行っています。対面の皆さんも、zoomの中の皆さんも、とても高いモチベーションを持って頑張っています。何度もひらがなやカタカナを自習しているノートを見せてもらい、胸が熱くなることもしばしばで、毎日がとても楽しく、学生の皆さんからたくさんのことを学ばせていただいています。私がいる1年間の間に、日本語の授業を取っている皆さんが、何らかの手ごたえを感じられるよう、彼らと一緒に走っていけたらいいなと思っています。
いろいろな国籍の若者が仲良く学んでいる様子を見るにつれ、外国語を学ぶことは自分たちと違う言語を話す人や、文化的背景の違う人と仲良くなり、その考えを理解しあいながら世界の問題を解決していくことにつながっていくのだという確信をもつようになりました。
ここで日本語を学んでくれる皆さんがこれから協力して、平和な世界を築いてもらいたいなとも、願っています。
また、ここで得たことを博士課程の学びや論文に活かし、外国語学習におけるモチベーションやエンゲージメントについて、なんらか世に伝えられることをつかみ取れたらいいなと考えています。

参考リンク
Northwest Collegeホームページ (2022年8月24日)日米教育委員会 (フルブライト・ジャパン)
昭和女子大学大学院 文学研究科 文学言語学専攻