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授業・学生の活躍
2022.10.12
【日本語日本文学科】ブックリレー 第 40 回
各セクションが更新しているブログから記事をピックアップ! 今回は日本語日本文学科の学生による記事です。
本を通じて、日文生同士はもちろん、受験生の方とも繋がっていければ嬉しいです。
3年生のNAさんが紹介するのは、森絵都さんの「クラスメイツ」です。
【あらすじ】
中学生になりたての初日からクラスが解散する日までの1年間を、1年A組の生徒24人それぞれの目線で描いたYA文学です。
女子3人組で「自分が仲間はずれにされてしまうかもしれない」と悩む子、周りが居場所を作っていく中で自分の居場所がないように感じて不登校になる子、怪我が原因で部活ができなくなり荒れてしまう子。様々なクラスメイトがいる中でどのような関係性を作り、どのようなクラスの最後を迎えるのか。とても身近で中学生らしい、沢山の迷いや悩みが彼ら目線で描かれた作品です。
この本は児童文学を学ぶ中で出逢った本なのですが、私達が中高時代に経験したような近くてあったかい感情を抱く作品だと思い、紹介に至りました。あまり本を読まない人にも読みやすいですが、私は特に普段から様々な文学作品に触れる皆さんに読んでほしいです。
中学1年生というのは、感受性が豊かで周りの目が気になる難しい年齢です。新しい環境に対応し、狭い教室という空間で自己を確立していく重要な時期とも言えます。大学生の今は小さな悩みだと思う些細な出来事も、当時はとても重大な悩みでした。
私は3人組になると2:1に分かれる1だだったり、4人組でも小さいきっかけで仲間外れにされることもありました。今思えば人間関係に悩むほとんどが「しょうもないこと」です。しかし、当時の私は教室が世界のすべてで、自分の居場所を持ち続けることが生きる術でした。
「クラスメイツ」には24人分の物語があります。きっと、誰かの悩みが皆さんが過去に苦しんだ悩みと重なることでしょう。