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2023.03.20
【心理学科】2022年度 方法論「心理実験法実習A 」グループ実験報告会(2)
各セクションが更新しているブログをピックアップ! 今回は心理学科の記事です。
具体的には、各自の関心に沿って研究計画を立て、実験実施~データ分析~研究発表までグループで進めていきます。今回、認知心理学が専門の松野隆則教授が担当する「心理実験法実習A」において、2つのグループが研究報告会を行いました。今回は文化的自己観が座席選好に与える影響について、グループ実験に取り組んだ学生のレポートを紹介します。
Q. グループ実験の内容と結果を教えてください。
A. 皆さんは、飲食店や電車などで座席に座る際にどこに座ることが多いでしょうか。私たちは、目の前に人がいる場合は対面を避けるなど、その時の状況やパーソナリティ特性※1である文化的自己観※2が座席の選び方と関連しているのではないかと考え実験を行いました。その結果、先に誰かが座っていた場合でもそうでない場合でも奥の座席が好まれることや、相互独立的自己観※2のうち他者に配慮することなく自分の判断で決める「独断性」が高い人は先客の斜向い手前の椅子を選びやすいことなどが分かりました。※1 パーソナリティ特性(personality trait)・・・「陽キャ」などある特徴的な個人差を表す性格(character)に対して、「内気な」「穏やかな」などさまざまな状況を通じてある程度一貫して見られる特徴の1つ1つのこと。
※2 文化的自己観(cultural self-construal)・・・「私/人は~という存在だ」という自己や他者についての考えのうち、特定の社会において歴史的に作られ、また共有されるもの。例えば「日本人は真面目」など。アメリカなど北米諸国では、人は他者とは区別され独立した存在で、自分の考えや行動によって周りに影響を与える存在と考える「相互独立的自己観」が優勢で、日本などの東アジア諸国では、人は他者と繋がった存在で、自分の考えや行動は周りの人と和を保つように決められると考える「相互協調的自己観」が優勢とされる。