9月下旬から10月にかけてニューイングランド地方の農園はりんご狩り(アップルピッキング)の家族連れで賑わい、ファームスタンドではアップルサイダー(りんごを絞ったジュース)やアップルサイダードーナツ、アップルパイなどが並び、秋の始まりを感じさせます。特に9月26日の「ジョニー・アップルシードの日」前後の週末は秋祭りのような賑わいです。
言い伝えによると、ジョニーは信仰深い博愛主義者で原住民のインディアンとも交流があったということです。動物好きでベジタリアンとしても知られていました。そのうえ、ジョニーはすぐれたビジネスマンでもありました。西部開拓の一旦を担ったオハイオ共同会社は1792年に入植者に100エーカーの土地を与えるにあたり、入植者は永住する意思を証明するために3年以内に50本のりんごの木と20本の桃の木を植えることを義務付けました。そこで、ジョニーは西部開拓の最前線でりんごの種や苗、またりんごの木を植えた土地などを新しい入植者に売ったのです。ただし、この頃のりんごは食用ではなく、保存のきく発酵アップルサイダーを作るためのものでした。次はどこで水が手に入るかわからない開拓者の長旅に必要だったのです。(Smithsonian
Magazine, November 10, 2014)
今ではアメリカのワシントン州やニューイングランド地方では多くの種類のりんごが栽培され、生食、アップルソース、アップルパイなどのベーキング、アップルサイダーなど用途によって使い分けされています。また、最近では日本の「フジ」や「ムツ」も普通にファームスタンドやスーパーで見られるようになりました。秋にニューイングランド地方に来られる機会がありましたら、ぜひ一度アップルピッキングにいらしてください。