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授業・学生の活躍
2023.03.13

【歴史文化学科】「戦後史史料を後世に伝えるプロジェクト」の紹介

各セクションが更新しているブログをピックアップ! 今回は歴史文化学科の記事です。
戦後史史料を後世に伝えるプロジェクトの顧問の松田忍(日本近現代史)です。昭和女子大学では、2022年度からアーキビスト養成プログラムを新設し、資料の収集・分類・管理・保存・活用にあたるアーキビスト人材の育成を開始いたしました。特に、日本のアーカイブズの現状においては、ただ資料を保存するだけではなく、社会に向けて資料の価値を発信することのできる人物の育成は急務になっているものと思われます。
 
そうした教育活動の一環として行われているのが、「戦後史史料を後世に伝えるプロジェクト」(以下、戦後史PJ)です。戦後史PJは、歴史資料の活用を学生たちが実践的に学ぶプロジェクトとして2018年度に立ち上げられ、2021年度の光葉博物館における秋の特別展「被爆者の足跡 ― 被団協関連文書の歴史的研究から ― 」をはじめ、研究のパネル展示や市民講座での研究発表などをこれまで10回以上重ねてきました。
 
戦後史PJの醍醐味は、学年の壁を越えた徹底的な議論です。1枚の展示パネルを作るのにも、一つ一つの事実確認、一言一言のニュアンス、展示全体のバランスを考えて、徹底的に議論します。昨年11月の秋桜祭で発表した「被爆者の『選択』」展を準備した際のミーティング資料を例に挙げてみます。参加メンバーから出された意見で真っ赤になっていますね。展示プランを何度も叩いては作り直し、完成度を上げていって展示する、研究プロセスを体感できるのが戦後史PJです。また今まで立正大学、東京外国語大学、お茶の水女子大学、明治学院大学の学生が参加してくれており、大学の垣根を越えた議論をすることも可能です。
 
下の記事で、海老原さんが紹介して下さった企画展は、戦時期の青年の日記を直接読んで「戦時を体感できる」企画展として、準備してきました。この企画展もまた学生たちが議論を重ねて、選び抜いた史料が展示されています。歴文生だけではなく、4月から歴文に入学することになっている皆さんも是非ご来場下さいませ!

企画展「世田谷区民が送った兵営生活~栗林一路を例に~」開催中!

戦後史史料を後世に伝えるプロジェクトの海老原(歴文2年)です!
 
戦後史PJは、松田忍准教授のご指導のもと、今年度は15名(1年生―6名、2年生―3名、3年生―4名、4年生―1名、大学院生―1名)で活動してきました。昭和女子大学だけではなく、お茶の水女子大学や明治学院大学からのメンバーも加えての活動となっています。
 
2022年11月の秋桜祭では企画展「被爆者の『選択』」を開催いたしましたが、今年度の活動の第2弾として、企画展「世田谷区民が送った兵営生活 ― 栗林一路を例に ― 」が世田谷区立平和資料館にて現在開催中です。
 
栗林一路(1924-2013、くりばやし・いちろ)さんは、小学校で満州事変を、中学校で二・二六事件、日中戦争開戦、太平洋戦争開戦を経験し、青山学院専門部に進んだのち、出陣学徒として出征しました。今回は戦時期から戦後にかけて書かれた栗林さんの3冊の日記の内容を研究した成果を展示しています。栗林さんの日記からは、一学生が兵士になる際の気持ちの揺れ動きを読み取ることができるだけでなく、自身の手によるユーモア溢れるイラストを交えながら、戦時下の日常生活を臨場感たっぷりに読み取ることも出来ます。
 
展示期間は、2023年3月3日(金)~4月30日(日)です。入館料は無料なので、皆様ぜひご来場ください!!(毎週火曜日は平和資料館が休館日なので、お気をつけて)
 
※FMせたがやが放送する「世田谷通信 世田谷情報セレクト」の番組内にて、私たちの展示が紹介される予定となっています。2023年3月24日の9時30分~9時50分、14時~14時20分あたりの放送予定と伺っております。よかったらお聴きになって下さいませ。
 
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